サウナを導入する前に!公衆浴場法など設置の際に注意すべき法律・法令まとめ

公開日:2025/06/12 最終更新日:2026/08/18
公衆浴場

サウナの導入時には関連する法律や規制、基準について確認しておくことが重要です。基準を満たしていない場合には開業・営業のスケジュールが遅れてしまうケースもあるため、内容をしっかりと把握しておきましょう。今回はサウナの導入について、関連法や具体的な構造のチェック項目などを詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。

サウナに関する各種法規制とは

サウナに関する法規制は、公衆浴場法、消防法、建築基準法、その他の法律の主に4つに分類されます。ここでは、公衆浴場法、消防法、その他の法律に焦点を当てて解説します。

公衆浴場法

サウナ施設を大衆向けに開業する場合、厚生労働省管轄の公衆浴場法の対象となるため注意が必要です。公衆浴場法は、公衆衛生と風紀を保つための法律であり、構造設備基準、適正配置基準、衛生基準などが定められています

この法律の対象となるサウナ施設(特殊公衆浴場)を設置する際は、基準にもとづいた設計・施工、保健所長の許可取得、厳格な衛生基準の遵守が求められます。許可申請には申請書のほか、構造設備の概要書や建物の平面図、付近見取図などの書類が必要です。

ただし、既存の温泉施設に新たにサウナを設置する場合や大衆向けでない施設(個人宅、企業の福利厚生施設、会員制施設など)は、公衆浴場法の対象外となることが多いです。例えば、個人の自宅利用や企業福利厚生用、特定の会員のみが利用する場合などが該当します。

設置するサウナが公衆浴場法の対象か判断がつかない場合は、事前に保健所へ確認することをおすすめします。また、自治体ごとに公衆浴場法の施行条例があり、地域の実情に合わせた細かな規則が定められているため、設置場所の条例も必ず確認しましょう。

消防法

サウナ開業には消防法も関連します。開業時には、消防署の立入検査の実施が必要です。サウナではストーブを使用するため、防火対策が不可欠となります。

具体的には、ストーブの設置基準遵守や管理者の専任、消火器の設置、避難経路の確保などの対策基準を満たさなければなりません。法基準を満たしているかどうかは立入検査によって判断されますが、不足している部分があれば是正措置が求められます。

検査後の修正指示によって開業計画・日程が変更となってしまう可能性もあるため、事前に消防施工を専門とする会社との協議を実施しておくことが重要です。また、自治体ではさらに具体的な項目が定められた火災予防条例もあります。

バレルサウナは建築基準法の建築物に該当する?

バレルサウナを設置する際に、「建築基準法の対象になるのか」「建築確認申請は必要なのか」と疑問に思う方も多いでしょう。実際には、すべてのバレルサウナが建築物として扱われるわけではありません。設置方法や構造、自治体の判断によって建築物に該当するかどうかが決まります。そのため、設置前に建築基準法の考え方を理解し、自分が設置するバレルサウナがどのように扱われるのか確認しておくことが大切です。

建築基準法とは

建築基準法は、安全性や衛生面に配慮した建物を整備するための基準を定めた法律です。建物の構造や設備などについて一定の基準を設け、安心して利用できる環境づくりを目的としています。

建物を新築・増築・改築する場合には、建築基準法に適合しているかを確認する建築確認申請が必要になるケースがあります。設置するサウナが建築物と判断された場合には、この手続きを行わなければなりません。

バレルサウナは建築物にならないケースが多い

建築基準法では、「土地に定着している工作物」であり、屋根や柱、壁などを備えたものを建築物としています。つまり、屋根があるだけではなく、地面へ固定されているかどうかも重要な判断基準です。

一般的なバレルサウナは、コンクリートやブロック、ウッドデッキなどの基礎へ設置する方式が多く採用されています。地面へ直接固定する構造ではないため、「土地に定着している」という条件に当てはまらず、建築物に該当しないケースが多いと考えられています。

その場合は建築確認申請も不要となります。ただし、建築物として扱うかどうかは自治体ごとに判断が異なるため、同じバレルサウナでも地域によって結果が変わる可能性があります。安心して設置するためには、工事を始める前に管轄する自治体や指定確認検査機関へ確認しておくとよいでしょう。

バレルサウナを建てる際の建築基準法のポイント

バレルサウナが建築物として扱われる場合は、建築基準法に基づいた手続きや条件を確認する必要があります。建築確認申請が必要になるかどうかは、サウナを設置する場所や建築方法、建物の用途などによって異なります。あらかじめ確認しておけば、工事が始まってから予定を変更するリスクも減らせるでしょう。ここでは、設置前に確認しておきたい主なポイントを紹介します。

設置場所の区域区分を確認する

最初に確認したいのが、バレルサウナを設置する土地がどの区域に指定されているかです。都市計画法では、地域ごとに防火地域、準防火地域、法22条区域などが定められています。

防火地域や準防火地域では、火災時の安全性を高めるため、建物に対する基準が厳しく設定されています。一方、法22条区域も市街地の環境や防災に配慮した区域として指定されています。

建築確認申請が必要かどうかは、この区域によって変わる場合があります。そのため、バレルサウナを設置する前に、自治体の都市計画図などを確認し、自分の土地がどの区域に該当するのか調べておくことが大切です。

区域を把握しておけば、その後の建築確認申請や設置計画も進めやすくなります。判断が難しい場合は、自治体へ相談すると詳しく案内してもらえます。

屋外へ設置する場合は新築か増築か確認する

屋外にバレルサウナを設置する場合は、新築と増築のどちらに該当するかによって建築確認申請の条件が変わります。

何も建っていない土地へ独立したサウナを設置する場合は新築として扱われます。屋外で新築する場合は、防火地域や準防火地域だけでなく、法22条区域やその他の区域でも建築確認申請が必要です。

一方、住宅など既存の建物がある敷地へサウナを追加する場合は、増築になる可能性があります。増築では、サウナ室の広さによって扱いが異なります。

サウナ室が10㎡未満であれば、防火地域や準防火地域では建築確認申請が必要ですが、それ以外の区域では不要となるケースがあります。しかし、10㎡以上になる場合は、区域に関係なく建築確認申請が必要になります。

設置する場所だけではなく、建物の広さも確認しておくことが大切です。

新築と増築の違いを理解しておく

バレルサウナを設置する際は、新築と増築の違いも理解しておきましょう。同じサウナを設置する場合でも、どちらに該当するかによって必要な手続きが変わるためです。

新築とは、更地など建物が存在しない土地へ新しく建物を建てる場合を指します。一方、増築とは、すでに建物が建っている敷地内へ新たな建物を追加する場合です。既存の建物と構造的につながっていなくても、増築として扱われるケースがあります。

たとえば、住宅とは別に庭へバレルサウナを設置する場合でも、住宅が建っている敷地内であれば増築になる可能性があります。反対に、建物のない土地へサウナだけを設置する場合は、新築と判断される可能性が高いでしょう。

新築か増築かは建築確認申請の要否にも影響するため、自分で判断せず、設置前に自治体へ確認しておくと安心です。施工会社へ相談すれば、設置方法を踏まえたアドバイスを受けられる場合もあります。

用途変更を行う場合は延べ床面積も確認する

既存の建物をサウナとして利用する場合は、用途変更に該当する可能性があります。用途変更とは、建物の使用目的を変更する手続きです。

たとえば、自宅で使っていたサウナを事業用サウナとして営業する場合や、住宅の一室をサウナへリフォームする場合、倉庫や車庫をサウナ施設へ改装する場合などが用途変更の例として挙げられます。

用途変更を行う場合でも、すべてで建築確認申請が必要になるわけではありません。建築確認申請が必要になるのは、延べ床面積が200㎡以上の建物で用途変更を行うケースです。

延べ床面積とは、建物のすべての階の床面積を合計した広さを指します。サウナ室だけでなく、更衣室やロッカールームなども含めて計算されます。

一般家庭へ設置するバレルサウナでは、延べ床面積が200㎡を超えるケースはほとんどありません。しかし、宿泊施設や商業施設、サウナ施設などで営業を目的として利用する場合は、建物全体の延べ床面積が200㎡を超える可能性があります。そのような場合は用途変更の対象になるかどうかを確認し、必要に応じて建築確認申請を進めましょう。

設置前に自治体へ相談して確認する

バレルサウナは、一般的な設置方法であれば建築物に該当しないケースが多いものの、最終的な判断は自治体が行います。同じような仕様のバレルサウナでも、地域によって取り扱いが異なる場合があるため、「ほかでは申請不要だったから大丈夫」と判断するのは避けた方がよいでしょう。

また、建築物として扱われる場合には、都市計画法による区域区分、新築か増築か、サウナ室の広さ、用途変更の有無など、複数の条件を確認する必要があります。設置場所や建物の状況によって必要な手続きが変わるため、事前確認が欠かせません。

判断に迷った場合は、管轄する自治体の建築担当窓口や指定確認検査機関へ相談しましょう。設置予定の場所や建物の状況を伝えれば、必要な手続きや確認事項について案内を受けられます。また、サウナ施工を行う事業者へ相談できる場合は、設置計画とあわせて建築基準法に関する内容も確認しておくと安心です。

事前に確認を済ませておけば、工事開始後に計画を見直すリスクを減らし、スムーズにバレルサウナの設置を進めやすくなります。安全かつ適切に利用するためにも、設置前の確認を大切にしましょう。

そのほかの法律

サウナに関連するそのほかの法律としては、土地の利用方法や制限を定める都市計画法や排水設備の設置・管理を規定する下水道法などがあります。これらの関連法律や規制内容を十分に把握し、思わぬ違反が起こらないよう注意が必要です。

サウナに関する建築基準法による規制

サウナの開業に関連する法律には建築基準法も挙げられます。ここでは、サウナに関する建築基準法による規制内容などを詳しく解説します。

サウナと建築基準法の関連性について

建築基準法は建物や建物を利用する人の安全・衛生を守るための法律です。サウナは建築基準法における特殊建築物に当たるため、内装や避難経路などについての基準を満たしていなければなりません

さらに、サウナは自治体の建築基準法施行条例にも関係します。ただし、移動式のサウナやイベント期間中のみ設置されるサウナなどは建築基準法の対象外となったり、規制内容が緩和されたりするケースもあります。

具体的な基準・規制の内容

サウナ開業時の建築基準法における基準・規制内容の例として挙げられるのは、建物の耐火・耐熱基準、換気、設備、防火設備、衛生設備、建物構造、立地、避難経路の確保、バリアフリー対応などです。

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サウナの構造上のチェックポイント

サウナの構造におけるチェック項目の細かな基準は各自治体によって異なります。ここでは、構造に関するチェックポイント・基準の例を紹介します。

区画

男性用・女性用の境界となる壁の高さや下足場・脱衣所・トイレ・浴室がそれぞれ区画されていることなどがチェック項目です。サウナの利用時間を区切ることで男女を分ける場合には、別途申請が必要です。

浴室

ひとりあたりの洗い場の面積のほか、床面に使用する素材、洗い場の傾斜などがチェック項目となります。また、浴室内には適当な数の水栓や浴槽・シャワーを設けることも必要です。

サウナ

室内外から確認できるよう適当な場所に温度計を設置すること、金属部分を断熱材で覆うこと、サウナ室の中を容易に見透せる窓を設置することなどがチェックポイントです。また、床面は清掃が容易な構造を採用することや清掃時の水が完全に排水されるように排水口を設置することなども求められます。

FAQ(よくある質問)

  • Qサウナを営業するには公衆浴場法の許可が必要ですか?
    A不特定多数にサウナを提供する場合は、公衆浴場法の許可が必要です。都道府県知事などへ申請し、構造設備基準や衛生基準を満たす必要があります。
  • Q公衆浴場法におけるサウナの設置基準とは何ですか?
    Aサウナ室には耐熱構造や換気設備、温度計、非常用ブザーなどの設置が求められます。詳しい基準は各自治体の公衆浴場法施行条例で定められています。
  • Qサウナは建築基準法上どのような用途に分類されますか?
    Aサウナは一般的に公衆浴場として扱われ、建築基準法上の特殊建築物に該当します。防火や避難に関する基準が適用され、用途変更時には建築確認が必要な場合があります。
  • Q公衆浴場法と旅館業法はサウナの営業でどのような違いがありますか?
    A公衆浴場法は一般利用の入浴施設、旅館業法は宿泊施設を対象とする法律です。宿泊者専用サウナは旅館業法、一般利用できるサウナは公衆浴場法が適用されるのが一般的です。
  • Q公衆浴場法の適用除外となるサウナにはどのようなケースがありますか?
    A宿泊者専用サウナや自宅の家庭用サウナ、従業員専用施設など、不特定多数が利用しないサウナは適用除外となる場合があります。
  • Qサウナを新設する際に確認すべき法令や基準には何がありますか?
    A公衆浴場法のほか、建築基準法、消防法、自治体の条例などを確認する必要があります。施設の規模や設備によって必要な手続きが異なるため、事前相談がおすすめです。

まとめ

今回は、サウナ導入時に考えておくべき関連法の規制のほか、構造に関するチェック項目の例などを詳しく解説しました。サウナに関連する法律には、公衆浴場法や消防法、建築基準法、都市計画法などが挙げられます。それぞれの法律には目的に照らし合わせたさまざまな規制・基準が設けられていますが、サウナの種類や利用者の範囲によっては法律の対象外となったり、規制が緩和されたりするケースもあります。サウナを導入する前にどの法律の規制が対象となるかをしっかりと確認して、不明点があれば管轄の行政機関に問い合わせましょう。また、構造上のチェックポイントは区画や浴室、サウナ室などの項目ごとに細かく定められています。基準は都道府県によって異なるため注意しましょう。

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