
業務用サウナの設置や開業を検討している方にとって、最も気になるのが初期費用やランニングコストではないでしょうか。サウナビジネスは高額な投資が必要な一方で、収益性や集客効果も高く、導入には戦略的な計画が欠かせません。本記事では、業務用サウナの設置・開業にかかる費用相場、資金の調達方法について詳しく紹介します。
業務用サウナの設置・開業にかかる費用相場
業務用サウナの設置・開業には多額の初期投資が必要です。施設の規模や設備仕様によって金額は異なりますが、小規模でも数千万円、中規模以上では1億円を超える場合もあります。これに加え、運営にかかる毎月の固定費や改修費用も継続的に発生します。サウナ室本体・施工工事にかかる費用
業務用サウナの設置には、サウナ室自体の費用に加えて、電気・給排水・空調工事などの施工費が発生します。屋内用の箱型サウナであれば200万円から、屋外用のバレル型や造作サウナでは500万円以上が目安です。ストーブの種類や設計自由度によっても費用が大きく変動します。また、内装や断熱材、換気設備を含めたフルオーダー設計の場合は、1,000万円を超えることもしばしばあります。さらに、地盤改良や防火対策、騒音対策といった法令対応工事が発生する場合も多いです。事前の現地調査や専門業者との打ち合わせで、必要な項目を明確にすることが重要です。
ランニングコストと改修費用の目安
開業後には水道光熱費、人件費、消耗品費などが継続して発生します。たとえば月1,000人の利用を想定すると、水道光熱費だけで300万円前後になる場合もあります。人件費は規模に応じて月50万〜200万円程度必要です。加えて、5年〜10年ごとに内装や設備の改修も必要になり、ストーブ交換や断熱材補修などに数百万円の出費が発生する可能性があります。
とくに老朽化した設備は事故や衛生面のリスクにつながるため、定期的な点検と計画的な更新が欠かせません。また、稼働率が高い施設では、消耗スピードも速くなるため、予備費の確保も検討しましょう。
サウナの設置資金を用意する方法
設置資金を確保するには、複数の資金調達手段を組み合わせるのが一般的です。自己資金をベースに、日本政策金融公庫の融資制度やクラウドファンディングを活用することで、リスクを分散しながら資金を集められます。自己資金をベースに融資を受ける
自己資金は金融機関の信頼度を高め、融資審査でも有利に働きます。一般的には、総投資額の3割を自己資金として用意するのが理想です。たとえば5,000万円の開業費用が必要な場合、1,500万円は自己資金で賄い、残りを融資で補う形になります。しっかりとした事業計画書と資金計画を作成することが、スムーズな融資獲得に向けて必要です。加えて、自己資金が多いほど返済期間や金利面で優遇されやすく、事業のキャッシュフローにも余裕が生まれます。開業前に必要な支払いに備え、事前に資金を分散管理しておくことも大切です。
補助制度やクラウドファンディングの活用
国の創業支援策や自治体の補助金制度を利用すれば、初期費用の一部を賄える可能性があります。また、クラウドファンディングを活用すれば、一般の支援者から共感を得て資金を集めることが可能です。借入金と異なり返済義務がないため、資金調達におけるリスクを軽減できるのもメリットです。とくにユニークなコンセプトや地域貢献性の高いプロジェクトは、注目を集めやすく成功率も高まります。実績を持つクラウドファンディング運営会社と連携すれば、プロモーション効果も期待できます。
サウナの設置・開業費用を少しでも抑えるにはどうすればいい?
初期投資を抑えるには、柔軟な発想と段階的な展開が重要です。ローコスト設備の導入やスモールスタートで始めることで、負担を軽減しつつ事業の安定化を図れます。テントサウナやレンタル型サウナを活用
設備費用を大幅に下げたい場合は、テントサウナやサブスク型サウナの導入が有効です。テントサウナは10万〜50万円程度で導入可能で、自然の中での利用にも適しており、アウトドア志向の顧客層に人気です。また、定額で利用できるレンタル型のサウナもあり、初期費用をかけずにビジネスを始める手段として注目されています。レンタルの場合は保守メンテナンスが込みになっていることも多く、運営リスクの低減にもつながります。販路拡大や出張イベントとの連動で、収益機会の幅を広げられるのも魅力です。
小規模スタートから段階的に拡大
一気に大規模施設を開業するのではなく、まずは家庭用サウナや4〜6人用の小型施設でスタートするのも効果的です。たとえば家庭用の電気サウナであれば100万円前後から始められ、運営も予約制にすることで人件費や光熱費を抑えられます。開業後の反応や利用者のニーズを見ながら、段階的に規模を拡大していくことで、無理なく事業を成長させることが可能です。早期に採算を確保しやすいため、資金回収スピードも早まります。地域密着型の小規模施設は、リピーターを育てやすい点も大きな強みとなります。